現実逃避
僕は嫌なことがあると現実逃避をする。
僕にとっての現実逃避は眠ることだ。
嫌なことがあると、眠くなってくる。眠くなって、何も考えられなくなる
無意識が僕が傷つかないようにそうしているのだろう
すぐに眠る癖がついたのは、高校2年生の時だったかもしれない
僕は恋をしていた。
その子のこと以外の出来事はすべて白黒の世界に見えて、苦痛で仕方がなかった。
だから眠って時間を飛ばすことを覚えたのだ
はじめは眠ることができなかったが、気づけば一瞬で眠ることができるようになっていた。
それから辛いことがあるとすぐに眠る癖がついた。
昨日だってそうだ。
人とのコミュニケーションで、うまくいかないことがあった。
僕は相手が憎くて憎くて仕方がなくなった。
でも突き詰めて考えた時、すべて自分の責任であると理解した。
その時辛くて辛くて仕方なくなった。
みぞおち辺りにドロドロとした黒い塊が溜まっていくような感覚になった。
僕は右手でみぞおちを何度もなんどもかきむしった。
気づけば、ソファの上で眠りについていた。